北関東医学
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症例報告
看護支援によるストレス軽減の分析
- Coxの看護モデルによる検証 -
宮田 洋子岡 美智代恩幣 宏美鬼形 はる子佐藤 未和井川 八重子高橋 さつき諸田 了子
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2010 年 60 巻 2 号 p. 163-168

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抄録
 臨床看護実践にはケアの複雑で多様な様相が伴う. 看護実践について明文化することは今後の看護支援の発展につながり, そのようなケアの要素を分析することは有用である. 筆者らはCoxが提唱するクライエントの保健行動相互作用モデルに基づいて看護支援を分析した. 筆者らは, インスリン治療開始と腫瘍摘出術についてのストレスと否定的感情により苦しんでいる患者事例を経験した. 看護支援後, 患者はインスリン導入を受け入れ, 糖尿病のセルフマネジメントを実践し, 手術への姿勢が変化した. 先行研究で明らかになっているように, 筆者らの看護支援も, 感情的支援, 保健情報, 意思決定コントロール, 専門的・技術的能力が患者の行動を変える効果があるというCoxのクライエントの保健行動相互作用モデル (IMCHB) の妥当性を追認した. しかしそれだけでなく, 患者の疾患に対する認知と姿勢を理解することも, 効果的なケア実践には重要であることがわかった.
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© 2010 北関東医学会
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