2012 年 62 巻 3 号 p. 323-333
N大学1年生14名を対象とし, 「臥床患者のシーツ交換」の技術を学生が実施した場面を撮影したビデオ映像を用いて自己評価するチェック方法の効果と課題を明らかにすることを目的とした. 技術の修得状況, 学生評価が教員と一致して的確な自己評価ができたか, 学生の受け止め方について分析した結果, チェックを肯定的に受けとめる学生の意見が多く, 最初の実施時と映像チェック後の再実施時を比較すると, 全学生に修得状況の改善がみられた. 特に学生と教員の評価の一致率が比較的高かった「しわ・たるみ」「振動への配慮」「位置・バランス」「コーナー作成」等の項目に改善がみられ, 視覚的に捉えやすく, 一定の学習効果が得られたと考える. 学生と教員の評価の一致率が低かった「観察・声かけ」「ボディメカニクス」等は改善があまりみられず, 今後は, これらのポイントをより意識的に教授する方法と教材の吟味, 効率的なチェック方法等の検討が課題である.