北関東医学
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症例報告
治療によってFDG-PETにおける集積の変化を示した非結核性抗酸菌症の1例
磯部 全前野 敏孝倉林 正彦
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キーワード: 非結核性抗酸菌症, FDG-PET
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2013 年 63 巻 2 号 p. 147-151

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抄録

症例は64歳女性. 2006年11月, 検診にて胸部X線異常を指摘された. 胸部CTで左舌区にconsolidationを認め, FDG-PETではSUV最大値 10.3と著明な集積を認めた. 左B4の経気管支生検で類上皮細胞肉芽腫を認め, 気管支洗浄液からMycobacterium aviumが培養され , 非結核性抗酸菌症と診断した. 2007年6月の胸部CTで悪化を認めたため, 多剤併用化学療法を開始した. 同年10月の胸部CTで改善を認め, FDG-PETではSUV最大値 3.9と集積の低下を認めた. 自覚症状が乏しい非結核性抗酸菌症に対する適切な治療の導入基準は確立されていない. 本症例は無症状であったが, 短期間で胸部CT所見の悪化がみられ, FDG-PETでSUVの著明高値を認めたため治療を行なった. FDG-PETは非結核性抗酸菌症の活動性を反映し, 治療導入や効果判定に有用であった.

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© 2013 北関東医学会
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