抄録
目 的:運動器疾患を有する高齢者の運動・生活機能と気分の変調との関連性を検討すること.
方 法:整形外科診療所及び併設介護施設5施設を受診・通所した運動器疾患を有する高齢者314名を対象として診察・検査所見, 運動機能評価及び質問紙による主観的健康状態およびロコモ25など40項目を調査した. 本研究では質問紙にある「おっくう」,「落ちこみ」,「役に立たない」の気分に関する3項目への回答結果とロコモ25スコアとを比較・検討した.
結 果:「おっくう」になることがあると答えた者が219人,「落ち込む」ことがあると答えた者が175人,「役に立たない」と感じたことがあると答えた者が113人であった. 男女別, 年代別のいずれの群においても気分の変調がない群よりある群のほうが有意にロコモ25スコアは高かった.
結 語:運動器疾患を有する高齢者の運動・生活機能と気分の変調との間に関連性を認めた.