北関東医学
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原著
楽しいことや悲しいことを想起して作文することが,おいしいとイメージされる食品と体に良いとイメージされる食品を選択する理由に及ぼす影響
都筑 馨介笠岡 誠一村井 睦加藤 起運
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2020 年 70 巻 3 号 p. 229-234

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抄録

【目 的】 食品に対する評価は様々な状況によって変化する.本研究では,心理状態に介入することにより,食品の評価についての見方がどのように変わるかについて研究した.

【方 法】 「おいしい」「おしゃれ」「栄養バランスが取れている」「体によい」食品を自由記述してもらい,100種以上の食品から,「おいしい」「おしゃれ」だから選択する3食品,「体によい」「栄養バランスが取れている」から選択する3食品を選定した.本調査では93名の大学生を対象に3群に分け,楽しかったこと,ニュートラルなこと,悲しかったことを想起記述した後で,それぞれの食品の選択理由の強さを,9件法にて問うた.

【結 果】 悲しい出来事の想起作文は体によい3食品のおいしいという理由での選択を低くした.一方,楽しい出来事を記述すると,6食品すべての選択理由が高まった.

【考 察】 食品選択理由の操作可能性が栄養指導に役立てられる可能性が示唆された.

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© © 2020, 北関東医学会
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