2021 年 71 巻 4 号 p. 293-300
目 的:本研究の目的は職業的価値観が多職種連携態度形成に及ぼす影響を調べることであった.
方 法:医療・介護職員151名を対象とした.職業的価値観を表すキャリア・アンカーカテゴリー得点と基本属性を独立変数とし,the modified Attitudes Towards Health Care Teams Scaleの各因子(“ケアの質”,“チーム効率”,“患者中心医療”)を従属変数とした重回帰分析を行った.
結 果:“ケアの質”では,「純粋挑戦」と「生活様式」の志向が高いほど多職種連携に肯定的な態度であった.“チーム効率”では,「保障・安定」の志向が低く,「奉仕・社会貢献」の志向が高いほど肯定的な態度を示していた.“患者中心医療”では,「奉仕・社会貢献」の志向が高く,「保障・安定」の志向が低いほど肯定的な態度であった.
考 察:複数側面の職業的価値観が多職種連携態度形成に影響することが明らかになった.