日本の各所で人口減少と急速な住民の高齢化が進んでいる.特に産業に乏しく,自然環境の厳しい山間部でその傾向は顕著である.群馬県の北部,西部は県境が分水嶺となっており,河川に沿って交通や産業が発展したが,現在では上流部から順次人口減少が進んでいる.本調査では,群馬県河川上流域の5つのエリアにおいて,人口動態,傷病者の受療状況,医療提供体制の推移を調査した.その結果,これらの地域は日本全国,あるいは群馬県全体よりも人口減少や高齢化が急速であり,現地完結型の医療提供体制を維持することも困難になりつつあることが確認された.今後,同様の地域は更に拡大することが予想され,地域医療を維持することが多くの山間部,河川上流域で困難になるものと思われる.