北関東医学
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百日咳肺炎の一剖検例
笹本 潔深井 孝治青木 謙二
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1960 年 10 巻 6 号 p. 708-712

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抄録
百日咳症は予防接種法にもとついて百日咳ワクチンの予防接種が実施されている現在, 患者の発生が著しく減少してはいるが, 予防接種以前の乳児に感染を見た場合にしばしば重篤な結果を来すことが経験されている.しかも数多くの統計的数字が示す如く, その死亡率が低年令ほど高いということからも, 乳児期の百日咳症が臨床的並びに疫学的のみならず病理学的にも充分注視に価する疾患であるということができる.しかしながら昭和20年以降本症の剖検的報告は極めて少なく, 本邦では由比 (1951) 島田 (1952) 赤井 (1957) 等数例に過ぎない.私達は最近生後3カ月で百日咳症に罹患全経過12日で死亡した一例を剖検したので報告する
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