北関東医学
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茨城県下に於ける無介助分娩に関する実態調査
加瀬 芳夫
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1972 年 22 巻 5 号 p. 309-314

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抄録

茨城県下におけるある地域の昭和42年から昭和44年の21例の無介助分娩につき, その実態を調査した.その内容を見ると
1) 立会者の内容を見ると, 親, 祖母, 姉等の親類が13例と半数以上を占め, 近所の人が4例, 保健婦が3例, 1例が本人となっている.
2) 母子の予後は, 出産経過良好20例で, 不良は1例のみであった.また児の予後は, 発育良好のもの19例, 新生児死亡2例で, 発育不良0となっている.
3) 無介助分娩となった理由は, 「交通が不便」が最も多く7例で全体の33.3%を占める.
4) 出生児体重を見ると2500g以下の未熟児は1例で, 不明1を除いた20例中の5%にあたる.
5) また今回無介助分娩をした21例の過去の分娩歴についても合せて調査した.過去の分娩の89.2% (74例中66例) が無介助分娩となっている.過去の妊娠回数76, 分娩回数74に対して, 死産1, 自然流産2であった.また既往無介助分娩児, 分娩66例の予後を見ると, 新生児死亡2, 乳児死亡1, エピレプシー1, 歩行発育障害児1であった.

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