北関東医学
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単一歩調取り細胞の活動電位と細胞内通電との関係
後藤 鹿島小松 美鳥
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1976 年 26 巻 6 号 p. 459-467

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抄録

単一の歩調取り細胞に二連式微小電極をさし, 一方の電極で細胞の自発的活動電位を記録しながら他の電極で閾下の細胞内通電をすると, 歩調取り細胞に特有な変化が観察される.
1) 細胞膜を横切る電流によってplateau電位に2つのnotchが現われ, 第1のnotchは急激なupstrokeから150~200rnsecの点で, 第2の notchは400msecの部位である.
2) この2つのnotchは外向き電流では上向きに出てPlateauを増大させ, 内向き電流では下向きに出てPlateauを減少させる.
3) 通電電極の充填液をKCIからNaClにかえるとこのnotchは出現しなくなる.
4) prepotentialの変化は外向き電流では傾斜がゆるやかになり, 内向き電流では急になる.しかし本来のリズムに変化はない.
5) 以上の変化はordinary fibreでは認められない.
6) 通電電極の充填液を acetylcholine, adrenalineにかえて通電しても自動能のリズムに変化はない.
7) 歩調取りの細胞においては potential と mechanogramはよく一致したがpotentialの変化はmechanogramには大きな影響を与えない.
以上の要約からa)カエル静脈洞の単一歩調取り細胞へ種々の刺激を加えてもそのリズムをかえることはできず, 歩調を支配するのは相当数の歩調取り

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