北関東医学
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運動回復期酸素摂取量に及ぼす心拍数と心機能の効果
長谷川 昭羽鳥 幹子天野 晶夫福田 丈了内田 理内藤 滋人山内 康彦山口 悦男中野 明彦鈴木 忠村田 和彦湯浅 和男
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1991 年 41 巻 1 号 p. 187-192

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抄録
健常人, 運動中に心拍数を増加させることの出来る心拍応答型ペースメーカを植え込んだ患者, 並びに心機能低下例を対象として運動負荷試験を行い, 運動終了後の酸素摂取量の推移に関与する因子について検討した.
1) 心拍固定型ペーシング (60拍/分) では酸素摂取量の減少速度は健常者に比し明らかに遅延していたが, 心拍応答型ペーシング (運動終了時の平均ペーシング数104拍/分) ではその減少速度は健常人により近く, 速やかであった.
2) 心機能低下例では健常人に比較して酸素摂取量の減少速度は明らかに遅延していた.
3) 心機能低下例の運動終了後の心拍数の減少速度は健常人に比べ遅延する傾向が認められた.
以上より, 心拍数と心機能とは運動終了後の酸素摂取量の推移に関与する重要な因子の一つと考えられる.
運動時には酸素摂取量は増加する.運動を中止すると, 健常人ではその直後から数分間にわたって酸素摂取量が指数関数的に減少すると言われており, 運動終了後の心拍数も酸素摂取量とほぼ並行して減少する.本研究は運動終了後回復期の酸素摂取量の推移に関する因子, 特に心拍数と心機能について検討したものであるが, このため運動中に心拍数を増加させることが可能なペースメーカを植え込んだ患者と心機能低下例について検討し, 健常人の成績と対比した.
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