北関東医学
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再灌流後の局所心筋血流量と局所収縮機能の経時的推移
H215O-PETによる心筋viability判定
塚越 譲一
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1994 年 44 巻 5 号 p. 513-522

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抄録

虚血後再灌流早期の心筋血流量と慢性期の心筋障害との関連を明らかにするために, 残存狭窄のない冠閉塞再灌流モデル犬を作成した.再灌流後早期に収縮機能喪失を示す虚血障害領域の心筋血流量をH215Oを用いてpositron emission tomography (PET) により経時的に測定し, 心筋血流量と壊死量および壁運動の変化との関係を比較検討した.再灌流12時間後の虚血域の心筋血流量比は壊死量と逆相関を示した (r=-0.74, p<0.01).4週後の慢性期に壁運動と血流が正常に回復した領域における再灌流12時間後の虚血域の血流量比は0.80±0.16であり, その平均値一2標準偏差である0.48を基準として判定することにより, 4週後における壁運動の回復の有無を予測することが可能であった (posi-tive predictive value 92%, negative predictive value 78%). H215O-PETにより測定した再灌流後早期の虚血域心筋血流量は慢性期心筋壊死量を反映し, これにより心筋viabilityの評価が推定可能である.

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