北関東医学
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胃悪性リンパ腫の臨床的検討
島野 俊一村山 佳予子秋谷 寿一大木 一郎福田 敬宏高橋 稔境野 宏治杉原 志朗土屋 純
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1995 年 45 巻 2 号 p. 179-184

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抄録

過去13年間に当院へ入院した胃初発の悪性リンパ腫19例について検討した.臨床病期分類はAnn Arbor分類に従い, 組織診断はWorking Formulationを使用した.対象は男11例, 女8例で年齢は38歳から81歳に分布し中央値は59歳であった.病期別にはI期4例, II期7例, III期1例, IV期7例であった.組織学的には中等度悪性群に属する症例が16例を占めホジキン病も1例認められた.入院時の検査成績ではCRPの陽性例は15例中11例であったがLDHの異常を示したのは19例中3例のみであった.治療法では手術のみの症例 (S) と術後化学療法の症例 (S+CT) が5例ずつ, 化学療法のみの症例 (CT) が6例であった.完全寛解 (CR) 例は18例中11例でSが5例, S+CTとCTが3例ずつであった.このうちI, II期症例が9例を占めた.生存期間の中央値はKaplan-Meier法で20.9カ月であった.CR例のうち死亡したのは1例のみでCR例の予後は良好と思われた.

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