北関東医学
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45 巻, 2 号
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  • 若松 恵利, 富田 治芳, 藤本 修平, 谷本 弘一
    1995 年 45 巻 2 号 p. 139-154
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    Enterococczas faecalis の接合伝達性バクテリオシンプラスミド pPD1 (59kb) の制限酵素地図を連関クローン法によって作成した. pPD1 はAからJまで10個の EcoRI 断片から構成されていた.pPD1へのTn917の挿入により, バクテリオシンの発現に変化を来たす変異株が得られた.この挿入変異のマッピングと連関クローンのバクテリオシン発現から, 約6.7kbの領域がバクテリオシン発現に必要であることが明らかになった.また, Tn917の挿入によって恒常的な凝集変異株を生じる領域があり, そのDNA塩基配列を決定し解析した.その結果, 約8kbの領域には10個のORFが存在し, うち7個はpAD1及びpCF10の性フェロモンに対する反応の調節遺伝子群と高い相同性を持っていることが明らかになった.また, 挿入突然変異による極性効果から, 一部の遺伝子の転写部位についても明らかにした.
  • 大嶋 明彦
    1995 年 45 巻 2 号 p. 155-162
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    近年, 外来刺激に対する c-fos 遺伝子誘導の検出が神経活動のマッピングの手段として広く行われている.本研究では c-fos mRNAの発現を指標として, 発達段階の異なるラットの脳の4部位について, けいれん誘発剤pentylenetetrazole (PTZ) 全身投与による神経活動の変化を調べた.PTZ (50mg/kg) 皮下注射後, 生後8日齢から49日齢にかけて短時間のミオクローヌスが間欠的にみられた.PTZ投与後のc-fosmRNAの発現量は大脳新皮質では8, 23, 49の各日齢で対照群より有意に高値であり, 8日齢から23日齢にかけては緩徐に, 23日齢から49日齢にかけては著明に増加した.大脳旧皮質では49日齢のみが対象群より有意に高値であった.海馬と線条体では8日齢から49日齢までの問対照群との有意な差は認められなかった.PTZ投与後の c-fosmRNA誘導の発達パターンの部位差は, (1) 一定の発作の誘発に関与している神経回路網の発達, または (2) けいれん誘発刺激が引き起こす神経機能の永続的変化に関与する神経回路網の発達のいずれかを反映している可能性がある.
  • 間島 竹彦
    1995 年 45 巻 2 号 p. 163-171
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    グリシン受容体チャネルの機能に対する亜鉛イオン (Zn2+) の効果をラット初代培養ニューロンとアフリカツメガエル卵母細胞に電気生理学的手法を適用して解析した.ラット培養ニューロンが惹起するグリシン作動性Cl-電流 (グリシン電流) はZn2+ (1μM) 存在下で約2倍に増強された.これに対しγ-アミノ酪酸 (GABA) により誘発される電流はZn2+ (10μM) により抑制された.Zn2+によるグリシン電流の増強作用は, ラット脊髄から抽出したメッセンジャーRNA (mRNA) を注入した卵母細胞を用いた実験でも観察された。さらにグリシン受容体α1サブユニットをコードする相補的DNAを鋳型にして合成したRNA (cRNA) を単独で注入した卵母細胞を用いてZn2+の作用を検討した結果, Zn2+は0.1-10μMの濃度域で効果を呈し, 10μMではグリシン電流を2-5倍に増大させた.Cd2+, Co2+, Ni2+, Mn2+, Mg2+およびCu2+ (1-10μM) にはグリシン電流を増大させる作用は認められなかった.グリシンとZn2+の同時適用を行ったところ, グリシン反応は直ちに増大した.以上の結果から, Zn2+はグリシン受容体のαサブユニットに作用点を持ち, 細胞外から作用してグリシンの結合親和性を高めることにより受容体機能を亢進させることが示唆された.
  • 鈴木 孝憲, 今井 強一, 林 雅道, 黒川 公平, 深堀 能立, 竹沢 豊, 田村 芳美, 山中 英壽
    1995 年 45 巻 2 号 p. 173-177
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    過去10年間に施行した前立腺全摘除術の手術成績と予後について検討した.症例は15例で, 年齢60歳から71歳, 平均65.5歳, 術前病期はB14例 (B17例, B27例), C1例であった.手術方法は恥骨後式で順行性に前立腺を摘除後, リンパ節郭清を施行した.7例に術野拡大のため恥骨切除を併用した.手術時間は平均4時間49分, 出血量は平均1760gであった.術後合併症には恥骨炎2例, 尿道の吻合部狭窄1例, 軽度の腹圧性尿失禁1例が見られた.術後病理ではB27例中1例にリンパ節転移, 3例に遠位断端陽性, 2例に前立腺被膜浸潤が見られ, Cの1例は被膜浸潤, 近位断端陽性であった.6例は無治療で経過観察され, 被膜浸潤, 断端陽性例には放射線治療と内分泌療法が施行された.予後は5年実測生存率および疾患特異生存率は100%で, 前立腺癌の再発は1例も見られなかった.
  • 島野 俊一, 村山 佳予子, 秋谷 寿一, 大木 一郎, 福田 敬宏, 高橋 稔, 境野 宏治, 杉原 志朗, 土屋 純
    1995 年 45 巻 2 号 p. 179-184
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    過去13年間に当院へ入院した胃初発の悪性リンパ腫19例について検討した.臨床病期分類はAnn Arbor分類に従い, 組織診断はWorking Formulationを使用した.対象は男11例, 女8例で年齢は38歳から81歳に分布し中央値は59歳であった.病期別にはI期4例, II期7例, III期1例, IV期7例であった.組織学的には中等度悪性群に属する症例が16例を占めホジキン病も1例認められた.入院時の検査成績ではCRPの陽性例は15例中11例であったがLDHの異常を示したのは19例中3例のみであった.治療法では手術のみの症例 (S) と術後化学療法の症例 (S+CT) が5例ずつ, 化学療法のみの症例 (CT) が6例であった.完全寛解 (CR) 例は18例中11例でSが5例, S+CTとCTが3例ずつであった.このうちI, II期症例が9例を占めた.生存期間の中央値はKaplan-Meier法で20.9カ月であった.CR例のうち死亡したのは1例のみでCR例の予後は良好と思われた.
  • 野本 泰介, 土屋 智, 中野 秀彦, 渡辺 覚, 牧元 毅之, 石原 真一, 武井 義和, 成清 一郎, 斎藤 龍生, 森 昌朋
    1995 年 45 巻 2 号 p. 185-190
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    1987年から1989年の3年間に国立療養所西群馬病院にて内科的治療を開始した切除不能進行非小細胞肺癌症例159例の予後および長期生存例 (3年以上生存例) について検討した.3年以上生存例は14例で全体の8.8%であった.性別, 年齢の差は認めなかったが, Performance Status (PS) 0-1症例が13例 (92.9%) と多かった.組織型別では扁平上皮癌が8例 (57.1%) とやや多かった.初回治療は化学療法のみが5例, 放射線療法のみが1例, 他の8例には化学療法+放射線療法が施行され, Partial Response (PR) 以上の奏効例は6例 (42.9%) であった.また, 腫瘍マーカー (CEA, SCC, SLX) 値は治療前値で正常例が多く, 異常高値を示した症例でも治療後に明らかな低下が認められた.
  • 鈴木 康, 横山 広典, 加藤 達也, 長沼 文雄, 伴野 祥一, 酒巻 哲夫, 河津 捷二, 村田 和彦
    1995 年 45 巻 2 号 p. 191-197
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    重複下大静脈に原発性アルドステロン症を合併した1例を経験した。選択的静脈造影にて, 左側の遺残静脈は太く, 左腎静脈から左総腸骨静脈に向かう逆方向の血流を認めた.また, サンプリングの結果, 左副腎静脈の血清アルドステロン値は著しく高値であったが (1,600pg/ml以上), 腎静脈では近位側 (1,069および824pg/ml) よりも遠位側 (1,600pg/ml以上) の濃度が高く, 逆方向の血流が影響したと考えられた.逆方向の血流が生じた理由としてNutcracker syndromeと同様の異常による左腎静脈の圧迫が存在した可能性もあると考え, 報告した.
  • PTCA を施行した 1 症例
    細井 勉, 小山 幸男, 丹下 正一, 安達 仁, 角野 博之, 熊倉 久夫, 高山 嘉朗, 市川 秀一, 今井 進, 鈴木 忠
    1995 年 45 巻 2 号 p. 199-204
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    右 Valsalva 洞より起始する左回旋枝に対し経皮的冠動脈形成術 (PTCA) を施行し良好な拡張を得た1例を経験した.症例は48歳の男性.頻発する労作性の胸痛を主訴に入院した.入院時の理学所見, 血液学的検査, 血清生化学検査, 心電図, 胸部X線検査, 心エコー検査には著変なかった.冠動脈造影では左回旋枝は右Valsalva洞より起始し, その近位部に90%の狭窄を認めた.また, 左前下行枝および右冠動脈の円錐動脈より肺動脈につながる冠動脈肺動脈瘻の合併もみられた.以上の病歴および検査結果より労作狭心症と診断し, 右valsalva洞より異常起始する左回旋枝に対しPTCAを施行して, 良好な拡張を得た.異常起始する冠動脈の動脈硬化性病変に対してもPTCAは有効であった.冠動脈異常起始症と冠動脈瘻との合併例に対するPTCAの報告はないため報告した.
  • 1995 年 45 巻 2 号 p. 205-207
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 45 巻 2 号 p. 209-230
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 45 巻 2 号 p. 231-241
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
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