2000 年 50 巻 4 号 p. 343-345
肺内微小腫瘤の局在同定における留置針を利用したCTガイド下マーキング法の有用性を検討した.1998年9月~1999年7月の間に本法を行った7症例を対象とした.性別は男性6例, 女性1例で, 平均年齢52.0歳であった.腫瘤径は3~6mm, 平均4.7mmであった.マーキングの時期は手術当日が1例, 前日が3例, 前々日が3例で, 全例でポイントマーカーを病変の近傍に留置可能で, その所要時間は10~50分, 平均37分であった.マーキング時の合併症は, 気胸が2例, 痙攀が1例 (1例重複) であった.7例全例において胸腔鏡下肺生検が可能で, 手術時間は39~66分, 平均41分であった.病理学的診断は, 転移性肺腫瘍が3例, 肺内リンパ節が3例, 炎症性肉芽腫が1例であった.本法は胸腔鏡による観察や胸腔鏡用鉗子を用いた検索で, 局在同定が困難な肺末梢微小病変に対し有用な方法と考える.