北関東医学
Online ISSN : 1881-1191
Print ISSN : 1343-2826
ISSN-L : 1343-2826
Coronary rotational atherectomyの初期成績・遠隔期成績の検討
関口 誠星崎 洋大島 茂伊藤 幸子平辻 知也鶴谷 英樹伊藤 致高間 典明窪田 彰一河口 廉深沢 浩磯部 直樹瀬田 亨博櫻井 繁樹安達 仁外山 卓二内藤 滋人谷口 興一
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 51 巻 1 号 p. 13-17

詳細
抄録
冠動脈複雑性病変に対するcoronary rotational atherectomy (RA)は有効な血行再建術の一つとして普及しつつあるが, 治療効果等に関しては報告が少ない.今回われわれはRAの初期成績および遠隔期成績について検討した.1997年12月~2000年4月の間に当院でRAを施行した連続30例, 32病変を対象とした.RA後バルーンカテーテルによる低圧拡張の追加を基本方針とし, 必要に応じて高圧拡張・ステント留置を行った.残存狭窄50%未満かつTIMI3をもって手技成功とし, 遠隔期(3~6カ月後)造影所見における50%以上の狭窄を再狭窄とした.標的病変は全てが高度石灰化を伴う複雑性病変(タイプB2病変が22病変(69%), タイプC病変が10病変(31%))であった.手技成功は28病変(87.5%)に得られ, 平均径狭窄率は78±9%から20±14%に改善した.手技不成功の原因としてはガイドワイヤー不通過, プラットホーム形成困難等であり, RAが施行可能であった28病変はすべて手技成功が得られた.遠隔期に17病変において冠動脈造影を施行し, 再狭窄を8例(47%)に認め, 平均径狭窄率は52±25%であった.再狭窄を認めた全例に再血行再建(RA1例・ステント留置7例)を施行したが, RAによるlesion modificationによって, RA以外の手技にて良好な初期成功率が得られた.再狭窄率は低くないが, 慎重な症例選択と手技を行えば, RAは石灰化を有する複雑性病変に対し, 粥腫の切除(debulking)のみでなくlesion modificationの面でも有用な治療手技であると考えられた.
著者関連情報
© 北関東医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top