北関東医学
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当院における肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法の検討
新井 弘隆阿部 毅彦濱田 哲也柳澤 正敏萩原 聡下田 隆也山田 俊彦小曽根 隆高木 均森 昌朋
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2002 年 52 巻 5 号 p. 345-349

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抄録

【背景】肝細胞癌に対する局所療法の一つとしてラジオ波焼灼療法(Radiofrequency ablation : RFA)は急速に普及しつつある.今回, 我々は当院におけるRFAの経験を報告し, その有用性と安全性を検討した.【対象】腫瘍径3cm以下, 腫瘍数3個以内の適応基準に合致しRFA治療が完遂し追跡可能であった肝細胞癌76症例, 117結節について検討した.【結果】平均観察期間10.0±6.0ヶ月で局所再発は117結節中11結節(9.4%)で, 異所再発は76症例中21例(27.6%)であった.死亡例は4例で死因は肝細胞癌が2例, 肝不全が1例, 脳出血が1例であった.主な合併症は疼痛, 発熱, 嘔気・嘔吐, 一過性の肝障害, 呼吸苦, 胆道系酵素の上昇や胸水であったが全て対症療法で対応可能であった.【結語】RFAは重篤な副作用が少なく, 肝細胞癌の局所制御性に優れた治療法であると考えられた.

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