抄録
【背景】二之沢病院の「大広間部屋」は25人の患者を一同に収容する歴史的に貴重な資料である.
【対象と方法】同院の看護・介護スタッフへのアンケートにより, 「大広間部屋」の利点と欠点を調査した.【結果】ほとんどのスタッフが, 圧迫感のなさや日当たりのよさを患者側の利点として, 着替えが見えやすいことや騒音を患者側の欠点と考えていた.また, 看護・介護側の利点として, 患者と意思疎通がはかりやすい, 患者の状態が把握しやすいということが利点と考えられていた.
【結語】今回の大広間部屋に対する調査を通じて, 適正な1病床あたりの面積や体積, 高い天井, 広い窓, 十分にデザインされた病室の配置などの重要性が示唆された.