北関東医学
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慢性腎疾患患児と母親への心理学的介入事例
安藤 満代田村 三穂
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キーワード: 患児, 母親, 慢性腎疾患, 回想
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2003 年 53 巻 1 号 p. 47-53

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抄録
2例2組の母親と子どもが入院中に一週間に一度, 合計4回, 面接者と病について回想した.患児は, CMAS (子ども顕在性不安テスト) とCAT (子ども用絵画統覚検査) を, 母親はPOMS (気分プロフィール尺度) とTAT (絵画統覚検査) を受けた.その結果, 患児は, 退院が近く, 運動制限が自由であったため, 精神的健康は高かった.患児らは, 良好な人間関係であったが, CATの結果から問題が示唆された.2組の母親の一人は, 家族について多大な困難を抱えていることがTATから明らかになり, これらの問題は入院の早期に生じていたと回想した.2組の親子の関係は, 母親は心理的に煩っていたが, 子どもはそうでない, あるいはその逆であった.回想の一貫した効果はみられなかった.これらの結果から次のことが明らかになった.患児の心理に及ぼす要因は, 退院の見通し, 運動制限, 患児同士あるいは患児と親との人間関係であり, 患児同士の人間関係を調整することが必要である.母親には入院早期に援助が必要である.病の回想による一貫した効果はみられなかったが, 心理テストを用いて回想することは心理に影響する要因を検討するには有効である.
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