共重合反応は通常2種のモノマーがランダムに入りまじった高分子を生成する。ところが無水亜硫酸とモノマーとの共重合反応では,若干の例外を除いて必ず1対1に交互共重合したポリスルホンを生成する。それゆえモノマーと無水亜硫酸のコンプレックスが重合するという代表例の一つにあげられているものである。この共重合反応が低温固相でも放射線により進行することを見い出したので,これにつき概観するとともに,いくつかのこの系特有の異常現象にいてもふれてみた。ポリスルホンは原料も安価であり耐熱性もよいのであつるが,プラスチック原料として使用された例を聞かない。この原因は加熱により溶融しないため加工困難なためとされているが,モノマーの選択あるいは三元共重合により加工可能な系も見出されうるのではないかと考えている