高分子
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鎖の統計とモンテカルロ法
鐸木 啓三中田 吉郎
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1972 年 21 巻 2 号 p. 78-81

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抄録

鎖状分子の統計にモンテカルロ法を利用しようという試みは,電子計算機の開発とほとんど同時に始まっている。1948年ころ現われた排除体積効果の問題に取り組む解析的方法のまだるっこさに業をにやした連中が,電子計算機にとのびついて, モンテカルロ法によって一挙に答えを出してしまおうとし, そたびに「狂瀾のモンテカルロ」から「哀愁のモンテカルロ」に終ってしまったというのが,20年の歴史である。最近ようやく解析的方法と照合するに足る結果が出始めた。
古典的な「ランダムフライト法」,長い鎖を得るのに成功した「2量体法」,実在分子に適合させるための「エネルギー導入法」,そして将来有望な「変形法」について述べる。

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