高分子
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文化財と高分子科学
中尊寺の遺体で使われている絹を例に
中條 利一郎
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2007 年 56 巻 8 号 p. 603-607

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抄録

中尊寺金色堂(岩手県平泉町)に保存されている三体の遺体は藤原清衡,基衡,秀衡のものである。これらの遺体が納められている棺の中にあった絹の13C固体高分解能NMRから,絹を構成しているアミノ酸のモル分率とスピン格子緩和時間を求め,それらと当時の気温(年輪考古学による)とを比較し,遺体は須弥檀の側から見て,左から順に基衡,清衡,秀衡のものであることを明らかにする。これは, 現在お寺で採用されている帰属とは反対である。

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