日本鉱物学会年会講演要旨集
日本鉱物学会2005年度年会
セッションID: K2-06
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高温下におけるtopaz-OH中の水素原子分布
*小松 一生鍵 裕之栗林 貴弘Parise J.B.工藤 康弘
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抄録

高温下における含水鉱物中の水素の挙動に注目し、topaz-OHの単結晶X線回折およびラマンスペクトルの測定を298Kから1173Kの温度領域で行った。室温下のラマンスペクトルには、OH伸縮振動モードに由来する2つの強いピーク(3599cm-1および3522cm-1)および弱いショルダー(3458cm-1)が見られる。これらのピークは温度上昇に伴って互いに重なり合い、873K以上の温度では、スペクトルを複数のピークに分離することは困難になる。単結晶X線回折によって得られる差フーリエ図からも、室温下では2つのピークを認めることができるが、高温下における水素原子付近の差電子密度は1つの大きく拡がった分布を示す。これらの結果は、高温下において水素はH1とH2の間を頻繁に移動し、単独のサイトを中心に激しく熱振動していると理解できる。

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© 2005 日本鉱物科学会
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