日本鉱物学会年会講演要旨集
日本鉱物学会2005年度年会
セッションID: K2-08
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CaO-MgO-Al2O3-SiO2系結晶と融体の構造及び状態方程式のMDシミュレーション
*松井 正典
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抄録

結晶のポテンシャルエネルギーを、クーロン項、ファンデァワールス引力項、反発項から成る二体間相互作用の和で表した。加えて、酸素イオンについては、結晶内における多体相互作用を取り扱うべくbreathing shell modelを適用した。酸素イオンのbreathingを含む必要なエネルギーパラメータは、CaO-MgO-Al2O3-SiO2系の種々結晶の常温常圧下における実測の構造、体積弾性率、熱膨張率、及びエンスタタイト、ウォラストナイト、ディオプサイド及びアノーサイト融体の常圧1900 Kにおける、密度、体積弾性率、熱膨張率の実測データの全てを精度良く再現するとの条件を用いて経験的に求めた。今回取り扱った結晶及の構造が極めて多様であるにも拘わらず、MDシミュレーションを用いて、それぞれの実測の構造、体積弾性率、熱膨張率の全てを高精度で再現することに成功した。加えて、常圧1900 Kにおける上記4種の融体についても密度、体積弾性率、熱膨張率の実測データとMD値の一致は極めて満足ゆくものであった。

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© 2005 日本鉱物科学会
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