斜長石の非晶質化圧力を決定するため,ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いた室温下,20-49GPaでの加圧実験を行った.回収試料の構造をラマン分光,TEMで解析したところ,Ab99組成の斜長石は37GPa,Ab89は34GPa以上で完全に非晶質化することが明らかになった.室温での静的圧縮による斜長石の非晶質化圧力は,衝撃実験による非晶質化圧力(Ostertag 1983)に対してわずかに低圧(4 GPa以内)であった.また,Willams & Jeanloz (1989)のDACによるアノーサイト(Ab5)の非晶質化圧力(約28 GPa)も考慮すると,衝撃実験同様,アルバイト成分が増加するほど,非晶質化の圧力は高くなることが明らかになった.