高知県作業療法
Online ISSN : 2436-1461
Print ISSN : 2436-1399
筋収縮レベルTENSが有効であった神経障害性疼痛を伴う中心性頸髄損傷例への介入
〜急性期からの食事動作獲得を目指して〜
吉村 大輔西内 直子井上 剛志西本 剛久林 優子河野 令佳
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2021 年 1 巻 p. 61-64

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抄録
中心性頸髄損傷は高齢者の転倒など軽微な外傷を契機に,上肢を中心とした麻痺や神経障害性 疼痛を生じ,ADL・QOL 低下を生じる.神経障害性疼痛を伴う中心性頸髄損傷例に対し,近年有効性 が報告されている TENS を併用した上肢機能訓練を継続し,疼痛緩和と心理的ストレス,上肢機能の改善, ADL 向上を認めた.本例では TENS の刺激強度に関し筋収縮レベルの TENS が有効であったが,脊髄 内での pain gating に加え上位中枢からの下降性痛抑制といった作用機序が推定された.頚髄損傷例へ の介入に際し,急性期においては従来の早期離床に加え日常生活動作を通じた課題志向型訓練や,治療 的電気刺激の併用といった包括的な介入が重要と考えられる.
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© 2021 一般社団法人 高知県作業療法士会
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