本研究では,レッグプレスマシーンを用いた足関節底屈筋力測定方法によって踵上げ回数と底屈筋力の関連について検討した.対象は,健常成人16名(20.5±0.9歳)であった.底屈筋力の測定にはレッグプレスマシーンを使用し,挙上できた重錘重量と初期負荷重量を加えて最大底屈筋力を求めた.日を変えてレッグプレスマシーンを使用し,体重と同等の重量負荷を加えて最大踵上げ回数を測定した.右最大底屈回数は23.8±7.0回,左は24.0±7.9回であった.右最大底屈筋力は89.2±23.7kgf,左は87.0±24.0kgfであった.右足関節最大底屈筋力体重比は,1.34±0.15kgf/kg,左は1.31±0.11kgf/kgであった.右最大底屈筋力体重比と右最大底屈回数の間には,相関係数0.640の有意な関連を認めた(p<0.05).左最大底屈筋力体重比と右最大底屈回数の間には,相関係数0.720の有意な関連を認めた(p<0.05).左右ともに最大踵上げ回数と最大底屈筋力体重比の間に強い相関を認めたことから,最大踵上げ回数によって最大底屈筋力を予測することは比較的妥当なものと考えられた.