抄録
行動リハビリテーション研究会という,リハビリテーションと応用行動分析学が融合する,学際的な研究会の試みとして,シンポジウムや研修会時の映像配信を開始した.約2年間で計6回の映像配信は,多数への一方向配信から,遠隔の拠点との双方向通信とし,新しく生まれた学際的領域の基盤作りの機能となった.この変化は,研究会の活動について,Gilbert(1978)による,哲学,文化,政策,戦略,戦術,後方支援という6つのレベルの視点によるパフォーマンス分析をして明確な戦略を定めた上で,どのような戦術が必要となるかという観点から双方向通信に至った.また,戦術を遂行するために,行動エンジニアリングモデルによる課題分析を行った.本論文では,ミッション共有型の映像配信モデルの変遷を記述し,医療やヒューマンサービスなど他の融合領域についての,建設的な映像配信の再現性を検討した.