行動リハビリテーション
Online ISSN : 2758-7924
Print ISSN : 2186-6449
拒否的な認知症患者に対する介入
強化刺激としての身体接触の有用性
松井 剛加藤 宗規
著者情報
キーワード: 認知症, 理学療法, 身体接触
研究報告書・技術報告書 フリー

2015 年 4 巻 p. 2-7

詳細
抄録
本研究の対象は,急性期病院入院中の認知症患者1名と訪問リハビリテーション中の認知症患者1名である.これら2症例に対し,理学療法への参加行動促進を目的として身体接触を併用した強化刺激を導入した. 介入前の症例1は,点滴自己抜去,転倒,暴力行為などを認め,理学療法参加率は0%であった.症例2は,一日の歩行量は100m未満,外出は3ヶ月に一度の通院のみ,理学療法参加率は平均21%であった.2症例とも担当理学療法士に対して感情的反発を生じていた. 介入中の理学療法場面では,常に臨床実習生が誘導,訓練に付き添い,賞賛と身体接触を取り入れた介入を実施した.その結果,症例1の介入14回目にして起立回数がPhase引き上げ基準の150回に達した.Phase2では身体接触をゼロにしたにも関わらず,目標とする起立回数,歩行周数に到達した.症例2は,介入5回目に目標とする歩行距離に達し,Phase2では,4回目に目標距離400mを達成した.症例1では Phase2以降,症例2では Phase3以降において身体接触の除去に成功した. 以上のことから,賞賛と身体接触を強化刺激として用いた介入は,理学療法への参加行動を強化するうえで有効に機能したものと考えられた.
著者関連情報
© 2015 行動リハビリテーション研究会
次の記事
feedback
Top