行動リハビリテーション
Online ISSN : 2758-7924
Print ISSN : 2186-6449
生活期の高次脳機能障害者に対する宿題の定着化に向けたアプローチ
矢作 満
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2015 年 4 巻 p. 8-13

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抄録

注意障害を呈した高次脳機能障害者に対し宿題の定着を目標に介入を行った.日記の宿題を実施し,1週間に一度遂行状況を確認した.7日間中5日以上日記が書けていればジュースを渡すというルールを定めた.ベースライン期の平均達成回数は3.67回,介入期の平均達成回数は5.5回,除去期の平均達成回数は5.83回,プローブ期の平均達成回数は6.5回であった.介入期ではベースライン期に比し,介入期では有意に達成回数が増加した.介入期では宿題を行ったらどのような利点があるのか明確にルールとして呈示した.そのためルール制御が可能になり宿題を行うという行動が増加したと考えられる.対象にあったルールと好子を調整することで生活の質を向上させられる可能性がある.

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© 2015 行動リハビリテーション研究会
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