抄録
本研究では,身体機能評価結果のフィードバックがホームエクササイズの実施回数に与える影響について多層ベースラインデザインを用いて検討した.対象は,外来リハビリテーション通院中の肩関節疾患患者5名であった.ベースライン期では,目標実施回数の提示と口頭での実施回数の確認のみを行った.介入期では身体機能評価結果から改善部分と訓練内容を照らし合わせて具体的にフィードバックした.介入時,5名中4名において実施回数が増加した.従って,ホームエクササイズの実践にあたっては,定期的な評価を行い,改善点をフィードバックすることがコンプライアンスを維持する上で有用なものと考えられた.