2017 年 6 巻 p. 13-17
長期間の介入によっても起き上がり動作が自立しなかった遷延性の意識障害と左半側空間失認を合併した重症片麻痺例に対して,逆方向連鎖化の技法を用いた動作練習を適応し,その効果について検討した.介入開始から起き上がり動作得点は順調に改善し,介入から4日目の時点で起き上がりが可能となった.介入期間中,意識レベルや運動麻痺,高次脳機能障害に変化はなかった.発症から4か月を経過していたにもかかわらず,短期間の介入によって起き上がり動作が自立したことから,今回の介入は有効に機能したものと考えられた.