行動リハビリテーション
Online ISSN : 2758-7924
Print ISSN : 2186-6449
高次脳機能障害を合併した重度片麻痺患者に対する移乗動作練習
段階的難易度調節を用いた介入
南 裕貴大森 圭貢小野 雅之
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2018 年 7 巻 p. 21-25

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抄録
高次脳機能障害を合併した重度片麻痺患者に対して,多段階に難易度を調節した移乗動作練習を行い,その効果について検討した.対象者は左被殻出血によって重度右片麻痺,失語症,右半側空間無視を呈した50歳代の男性である.51病日に当院回復期病棟へ入院となり,57病日まで理学療法を行ったが,移乗動作は全介助のままであった.58病日から応用行動分析学的介入を開始した.介入では,練習環境を8段階,プロンプトを5段階設け,本人の動作能力に合わせて難易度を調節した.介入開始12日目(73病日)には,監視下で移乗動作が行えるようになった.介入中,運動麻痺,高次脳機能障害に大きな改善はなかったことから,今回の移乗動作練習は,移乗動作能力の向上に寄与したものと考えられた.
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© 2018 行動リハビリテーション研究会
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