抄録
本研究は、DX(Digital Transformation)の加速、顧客起点の価値共創が進展するなかで、広報にどのような変革が求められるかを明らかにすることを目的にしている。企業広報担当者へのアンケート調査や先行事例研究による考察の結果、デジタル技術の利点を最大限に活用して顧客や従業員、そして社会との多様な接点を通じエンゲージメントを高めるためには、広報に中核的な役割が求められるとの示唆を得た。従業員による理念やパーパスの実践や、顧客-企業-従業員の相互作用が生み出す感動や共感など体験価値の可視化により、評判や信頼を蓄積してブランド価値を向上させることが重要である。