抄録
大規模災害時には公共交通が長時間不通となり大量の歩行帰宅者が発生する.ボトルネック箇所における大混雑によって群集雪崩の危険も生じる.東日本大震災(2011)後の東京都市圏において顕著な歩行帰宅混雑問題が発生したことから対策が進められてきた.しかしながら大阪府北部地震(2018)において再び同様の問題が生じ,特に淀川橋梁における歩行者混雑は顕著であったことから,本研究では,当時の歩行者混雑状況の再現シミュレーションを行い,対策としての歩行帰宅者の時間・空間分散や混雑情報提供の効果について試算した.