心の諸問題論叢
Online ISSN : 1349-6905
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研究論文 原著 投稿3:井上 良子 The Ultimate Desire of Human-Beings --- To Be Accepted
(日本語標題無し)
井上 良子
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ジャーナル オープンアクセス
電子付録

2015 年 5 巻 1 号 p. 7-

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抄録

真に受容されることが、人間にとっては不可欠である。受容が得られない時、攻撃性や不満が生まれ、それは破壊的な結果をしばしばもたらす。攻撃は、周囲のみならず、しばしば自分自身にけられてしまうからである。受容されることと、愛されることというのは、ほぼ同義である。愛情の最も重要な要素もまた受容である。受容されていることを確かめることは、重要であるのみならず、それ自体が、喜びや幸福感を与えてくれる。私たち人間にとって、自分の幸福は愛する人の幸福次第であり、それゆえ、本当に幸せになるためには、誰かを一身に愛することが必要なのである。私たちは、自分よりも、愛する人の幸福を願う気持ちを、生得的に持っている。苦しみや悲しみが、人生に彩りを与えてくれるものであっても、大切な人を、すべての害悪、悲しみ、苦しみから守ろうとするのもまた、自然なことである。自分が幸福になるために、受容されることが必要であると同時に、愛する人が完全に幸福でなければならない。最愛の人から受容されれば、それはもう、完全な幸福といってもよいくらいのものである。仕事においても、雇用者からの拒絶を避けようと努力するもので、これは、友達や恋人からの拒絶を避けたいと願うのに似ている。また、拒絶への恐怖は、創造性を抑えてしまう。

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© 2015 心の諸問題考究会
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