こころの健康
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資料
インターネット上での自殺報道の現状
――Google News を対象とした報道内容の分析――
末木 新
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2011 年 26 巻 1 号 p. 60-66

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抄録

本稿の目的は,インターネット上での自殺に関する報道の現状を明らかにし,その結果を先行研究と比較 することで,インターネット上の報道の特徴と問題点を明らかにすることである。2010年7月から10月に Google News からリンクされた見出しに「自殺」という語を含むテキストベースの報道記事1,310件を対象とし,その中か ら国内の自殺報道として分類された543件の内容を詳細に分析した。その結果,記事の平均文字数は402字(標準偏 差=301)であった。記事の中で自殺の手段に触れているものは67.4%あり,そのうちの17.5%は行動を想起させ模 倣を招きかねないほど具体的な記載がなされていた。その一方で,読者が利用可能な援助サービスについて言及し ている自殺報道記事は全体の1.3%のみであった。また,自殺者の精神障害への言及がなされていた12.5%の記事の うち9割以上がうつ病のみに言及していることから,うつ病が他の精神障害に比べニュースバリューが高い可能性 が示唆された。

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© 2011 著者(問い合わせ先は日本精神衛生学会)
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