2015 年 66 巻 p. 1-30
加速するサプライチェーンのグローバル化に伴い, これまでの枠を超えた21世紀型の貿易ルールが求められている。WTOドーハ・ラウンドの停滞によって, そのルールづくりの主役は今やWTOでなく, メガFTAである。日本は, TPP, RCEP, 日EU・FTAなどのメガFTAを通じて, 積極的にルールづくりに参画すべきである。本報告では, メガFTA交渉の現状と課題を検証し, 新たな通商秩序を展望しつつ, 日本が目指すべき21世紀型の通商戦略について論じる。