2019 年 3 巻 11 号 論文ID: e00092
75歳,女性。72歳時に後腹膜線維症に伴う水腎症とIgG4高値を認め後腹膜生検を行ったがIgG4関連疾患の診断に至らなかった。水腎症はステロイド投与で改善せず尿管ステントが留置された。今回,咳嗽と両側肺門・縦隔リンパ節腫大,気管支血管束肥厚を認め当科に紹介された。縦隔リンパ節の超音波気管支鏡ガイド下針生検ではリンパ組織へのIgG4陽性形質細胞の浸潤を認め,IgG4関連肺疾患と診断した。その後咳嗽が増悪しステロイド投与により肺病変は改善した。IgG4関連疾患は長期間の経過観察が必要と考えられる。