2020 年 4 巻 9 号 論文ID: e00111
経過観察により診断し得た,てんかん発作に伴った神経原性肺水腫の1例を報告する。症例は39歳女性。てんかん発作を繰り返しており,意識消失で救急搬送された。胸部CTで両肺にconsolidationとすりガラス状の濃度上昇がみられ,神経原性肺水腫を疑った。酸素投与の上で経過観察したところ,10時間後の胸部X線写真は著明に改善し,診断を確信した。てんかん発作に伴った神経原性肺水腫は稀だが,短期間での改善が特徴的であり,経過観察することで診断につながる場合がある。