日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
静岡市における対策型胃がん内視鏡検診の効率化に向けた取り組み
川田 和昭村上 隼夫
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2019 年 57 巻 1 号 p. 11-19

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抄録
静岡市では2012年4月より内視鏡検診を導入, 検診受診率は導入前年の7.1%から10.2%へと増加した。また胃がん発見率は, X線の0.07%(早期胃がん比率47.9%)に対し, 内視鏡は0.25%(同73.8%)と有意に高い結果となっている。運用の過程ではいくつかの課題が挙げられているが, なかでも内視鏡医の確保と検診費用の増大は喫緊の課題といえる。精度管理協議会では2018年から内視鏡検査と同時に胃がんリスク層別化検査(いわゆるABC分類)を行い, 低リスク群(未感染群)を正確に抽出, この検診間隔を2年に1回にすることで, 検診機関への負担軽減を考えている。高リスク群を対象集約化することで, 限られた内視鏡資源を効率的に運用でき, 同時に検診費用の削減も可能になるものと思われる。
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© 2019 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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