抄録
静岡市では2012年4月より内視鏡検診を導入, 検診受診率は導入前年の7.1%から10.2%へと増加した。また胃がん発見率は, X線の0.07%(早期胃がん比率47.9%)に対し, 内視鏡は0.25%(同73.8%)と有意に高い結果となっている。運用の過程ではいくつかの課題が挙げられているが, なかでも内視鏡医の確保と検診費用の増大は喫緊の課題といえる。精度管理協議会では2018年から内視鏡検査と同時に胃がんリスク層別化検査(いわゆるABC分類)を行い, 低リスク群(未感染群)を正確に抽出, この検診間隔を2年に1回にすることで, 検診機関への負担軽減を考えている。高リスク群を対象集約化することで, 限られた内視鏡資源を効率的に運用でき, 同時に検診費用の削減も可能になるものと思われる。