2021 年 5 巻 10 号 論文ID: e00137
症例は66歳,女性。気管支喘息で吸入ステロイド/長時間作用型β刺激薬(inhaled corticosteroid/long-acting β-agonists:ICS/LABA)を使用していたが,病状のコントロールが不良であったため,当院を紹介受診した。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(allergic bronchopulmonary aspergillosis:ABPA)と診断されたが,画像所見および喀痰培養でMycobacterium abscessus(M.abscessus)を検出したため,非結核性抗酸菌症合併と判断し,経口副腎皮質ステロイドの使用を回避した。好酸球増多を伴っていたことから,ベンラリズマブを導入された。導入後に喘息コントロールは改善し,入院時の胸部CT検査で認めた粘液栓は消退した。