抄録
建築物,万博などの知られざる歴史的な遺産やイベントを可視化またはインタラクティブに経験することは非常に重要である。1937年名古屋で開催された汎太平洋平和博覧会を題材としたバーチャルシステムを制作したので,これについて述べる。本バーチャル汎太平洋平和博覧会は,我々が提案し開発を行ってきた3Dblog技術を用いることにより構築されている。3Dblogを用いることにより,プロではないユーザが3次元オブジェクトを作ることが簡単にできるだけではなく,制作者とユーザの両方が制作プロセスで協調しあう仮想環境に参加できる。このことは文化遺産を経験できるバーチャルシステムの新たな可能性を含んでいる。我々は,バーチャル汎太平洋平和博覧会に付与した数多くのきわめて重要な機能について解説する。