抄録
近年の大学の授業では,多数の学生の基礎学力や学習意欲が不足しているという問題が起きている。これらの問題を解決するために,E−Learningを活用するようになってきた。従来から進行中の教育活動の問題点を把握し,適時にその解決策をフィードバックするための手法として形成的評価が行われている。典型的な具体例は,各学習単元を対象にした形成的テストによる学習成果の把握とその問題点の改善などで報告されている。WBTによる形成的テストは,実施方法の柔軟性や作業の効率性とアクセス履歴の閲覧などについて,従来の紙と鉛筆による方式よりも優れる。WBTによる形成的テストから,学習項目の理解が不十分な学生の特定と個別指導プログラムが明らかにできる。