抄録
本稿の目的は、インターネットを大学教育、とりわけゼミナール教育でどう利用すべきかに関して、一つの問題提起を行うことである。具体的には、日本の大学では通常ゼミナールという場で別々に行われるれているようなグループ討論を、複数の大学における複数のゼミナールを含む形でインターネット上に拡張していこうという提案を行う。そのような試みは、現状のWWWの機能を利用すれば簡単に実現することができるし、部分的にはすでに実現されている。インターネットは、情報の双方向的かつ多角的な発信と受信を可能にしたが、この提案はそのインターネットの特質にきわめてかなった利用法であると考えられる。それはまた、大学内の活動を社会に知らせる最も効率的な手段となりうるようにも思われる。