抄録
琉球大学では平成9年度から共通教育として情報処理科目の必修化を前提とした取り組みを行っている。情報処理教育の授業内容に関しては,必要最小限提供すべき基準を策定し,各学部の実情に配慮した教育が行われてきた。2003年の高等学校指導要領改訂によって新教科として「情報」が新設され,すべての高校生は,「情報A」「情報B」「情報C」のうち,少なくとも1科目を履修することが義務づけられている。そのため,現在本学が共通教育として提供している情報科学演習のカリキュラム等についても改定が必要である。そこで,高校における教科「情報」の履修状況および授業内容に関する平均的な習得レベルについて,県内の各高校に対してアンケート調査を実施した。また,現在本学の情報科学演習履修者ならびに各学部・学科に対しても同様に,授業内容の理解度,カリキュラムに対する要望等に関するアンケート調査を実施して自己点検・自己評価を行った。共通教育として大学で教育すべき情報処理教育の授業内容およびカリキュラムと,高校における教育にゆだねるべきものについて検討を行っている現状について報告する。