大学入学生の多くが,高等学校に必修として新設された普通教科「情報」を学んでくる2006年に,北海道の大学11校約2,000人を対象にアンケートと実技テストから調査を行った。その結果,教科「情報」を通して彼らは多岐にわたって学習してきていること,コンピュータを用いる項目については大学で従来行われてきた教育内容と重複していたこと,などがわかった。しかし,同時にその多くの項目で「できない」と答えた学生が多く,大学での情報教育にコンピュータ操作を用いた基礎的な内容を望んでいることが明らかとなった。本調査結果は北海道では形成されていなかった情報教育の共通基盤となり,今後の高等学校,大学双方の情報教育担当者の連携に寄与するものである。
抄録全体を表示