抄録
高等学校で教科「情報」を履修した学生が入学する2006年度に備えて,情報関連科目のカリキュラム改編が多くの大学で行われている。弘前大学においても,情報科目のカリキュラム改編を行ったが,教科「情報」を履修した学生の履修行動がカリキュラム改編の狙いとは明らかに異なっていた。この原因を調査するため,アンケートを実施した結果,学生側の情報教育に対する意識と,教員側の情報教育に対する意識にズレがある可能性が浮上した。学生は情報教育にレポート作成やプレゼンテーションなどの基礎的な技術を期待しているのに対し,教員側は情報教育に学生のコンピュータ・リテラシー向上を期待している。この情報教育に対する意識のズレがカリキュラム改編と履修行動の齟齬をもたらしたと考えることができる。