抄録
テストにおける要約文の評価は,複数の採点者により評価されることが多く,時間・労力の両面で負担が重いという問題点がある。信頼性の高い要約文自動評価システムがあれば,試験における要約文採点の負担を軽減することが可能である。また,学習者にとっては,作成した小論文を正確に,しかも即座に採点することが可能となり,採点者の手助けを必要としなくても,繰り返し小論文作成と採点を繰り返すことが可能となり,学習者の小論文作成能力の向上に資することが期待される。本研究は,Dumains(1998)による潜在意味分析(LSA:Latent Semantic Analysis)に着目し,要約文評価への適用可能性を検討した。先行研究である椿本の方法(2004)及び吉本の方法(2005)と比較検討した結果,本研究の有用性が示された。