コンピュータ&エデュケーション
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特集 漢字文化圏と電脳教育
中国語合成音利用の聴取教育とその効果
―変わる語学ツールと学習者の受容能力―
砂岡 和子 岩見田 均
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2009 年 27 巻 p. 28-32

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抄録

情報通信技術の高度化と,急速な国際交流の拡大は,教育のありかたにも大きな影響を与えている。なかでも外国語の習得には一定のスキルの訓練と,実践環境が不可欠なため,他の学習科目に比べ,ICTや異文化間コミュニケーション空間を利用するメリットも大きい。本文は,中国語教育へのICT活用事例として,中国語合成音を実装した聴取テストの教育効果について論考する。われわれが行った過去4回の実験結果では,中国語合成音利用の成績が,いずれも自然音聴取テストの成績を大きく上回り,合成音が現行語学教材の自然音声に変わる音源として信頼できることを実証する。同時に,被験者の聴取過程から,合成音再生回数や可視化情報の閲覧,および韻律把握とリスニング成績との相関を分析し,ユーザアンケート調査の結果を併せ参照して,合成音利用のリスニング学習モデルを提案する。学習者の受容能力に配慮した機能選択は,ICTの教育利用に共通する視点と考える。

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© 2009 一般社団法人CIEC
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